【講演会・フォーラム】
【日野秀逸先生の医学概論・・連続5回】
医療倫理の展開を訪ねる旅-
日野秀逸
医師、医学博士(大阪大学)、経済学博士(東北大学)
【第4回】
医療倫理の歴史 「安藤昌益の思想」
目次
1. 番外編:私と昌益:安部次郎・夏目漱石・狩野亨吉・安藤昌益
- (1)
- 大平君と漱石
- (2)
- 漱石文庫が東北大に
- (3)
- 東北大学入学から1970年前後まで
- (4)
- 2000年代の「ノーマン」再発見
- (5)
- 連続講義の依頼
2. 安藤昌益の思想の根幹
- (1)
- 「陰陽」・「二別」の否定
- ①
- 上下の思想を否定
- ②
- 固定的思想の否定
- (2)
- 「事実に基づいて合理的に」
- (3)
- 「直耕」と生産者主権論
- ①
- 「直耕」
- ②
- マルクスとの類似
- ③
- 生産者主権論(=「働くものが平等に暮らす社会」論)は多数ある
- (4)
- 生産者主権論と倫理
- ①
- 倫理(学)は生産的労働から始まる
- ②
- 生の絶対価値性
- ③
- 私たちの倫理の大きな方向性
3. 安藤昌益とは、その生涯
- (1)
- 秋田県大館に生まれる
- (2)
- 中央政権と東北の関係
- ①
- 縄文期には東北日本が先進地
- ②
- ヤマト政権による「蝦夷」侵略
- ③
- 鎌倉政権
- ④
- 南北朝
- ⑤
- 徳川政権(関ヶ原)→佐竹は秋田へ。上杉は米沢へ
- ⑥
- 明治維新・戊辰戦争:白河以北一山三文
- ⑦
- 兵と食糧の供給地としての東北
- (3)
- 修行時代
- ①
- 幼年期
- ②
- 京都で修行を
- ③
- まずは禅僧としての修行
- ④
- 仏教を批判する――性の肯定・労働の尊重
- ⑤
- 医学の道へ――革新的医学を学ぶ
- (4)
- 八戸で開業
- ①
- 昌益が記録に現れる――腕の良い町医者・学識ある人物
- ②
- 当時の社会情勢
4. 明治以降の昌益発見
- (1)
- 狩野亨吉による紹介
- (2)
- 狩野亨吉について
- (3)
- 第一次ロシア革命を契機に
- (4)
- 狩野亨吉の後半生
- (5)
- 非劇の外交官・ノーマン
5. 医学論
- (1)
- 当時の医学・医療への批判
- ①
- 批判の要点
- ②
- 医学の状況
- ③
- 古法派医学への批判
- ④
- 医師の社会的責務への自覚
- ⑤
- 伝統的医学の「二別論」に対する批判
- (2)
- 真営道医学の骨格
- ①
- 内科中心主義を批判・産婦人科と小児科を重視
- ②
- 伝統的内臓観を批判
- ③
- 性愛の肯定
- ④
- 合理的障害観
6. 土を根源とする世界像と社会観
- (1)
- 新しい理論の2つの素材
- ①
- 陰陽五行論が素材に
- ②
- 農家の囲炉裏や台所からの発想
- ③
- 「二別論」批判も「炉」から
- ④
- 我田引水も
- (2)
- 民衆のたたかいが第2の素材
- ①
- 徳川幕府の動揺
- ②
- 「馬のものいい」と昌益の「法世物語巻」
7. 「自然世」のイメージとしての素朴共産制社会
8. 昌益の「革命論」(「契う論」)
9. 昌益の思想をいかに学ぶか
- (1)
- 時代的制約
- (2)
- 社会的・地理的制約
- (3)
- 昌益が語りかけること
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